この記事を書いている人物
大学職員として学生の退学、除籍、休学に関する業務を担当
(相談にのった学生の人数は100人以上!)
この記事では退学や除籍に関する情報をまとめています。
大学をやめることを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
大学をやめるとは?
大学をやめる方法を大きく分けて二つあります。
- 退学:自分から大学をやめる
- 除籍:大学からやめさせられる
除籍は「何か問題があって大学からやめさせられた」
といった印象があるため、大学をやめるのであれば、退学のほうがいいです。
ただし、除籍は授業料を払わなくてもいいというメリットがあります。
そのため、あえて除籍を選ぶ人もいます。
(授業料については後半の「授業料(学費)はどうなる?」で解説します。)
また、それぞれの違いについては以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
退学と除籍の違い
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【退学と除籍の違い】除籍になるとどんな影響があるの?【現役大学職員が解説】
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大学をやめるまでの流れ
退学と除籍それぞれについて解説します。
退学の場合
退学の場合は、以下の流れになります。
退学の流れ
- 大学の事務に相談(退学届を受け取る)
- 退学届を記入する(親の同意が必要)
- 指導教員(学部の教員)に退学したいと伝えて承認をもらう
- 退学届を提出する
退学するためには、保護者や教員の確認が必要になります。
また、授業料をはらっていることが条件になります。
タイミングが悪いと、余計にはらう可能性があるため、事務への相談は早めにしましょう。
(授業料については後半の「授業料(学費)はどうなる?」で解説します。)
手続き方法と注意点を以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
退学の手続きと注意点
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大学を退学(中退)するための手続き方法と注意点【現役大学職員が解説】
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除籍の場合
除籍の場合は、以下の通りです。
除籍の流れ
- 授業料をはらわない
これだけです。
除籍のメリット
退学のような手続きが不要
授業料をはらわなくていい
(授業料については後半の「授業料(学費)はどうなる?」で解説します。)
他にも、以下の条件で除籍になりますが、メリットがないためここでの説明は省略します。
【参考】除籍の条件
- 決まった年数以上に在学した(8年ぐらい)
- 法にふれる問題を起こした
授業料(学費)はどうなる?
退学と除籍それぞれについて解説します。
退学の場合
退学は、在籍している期(前期、後期など)の授業料を満額はらう必要があります。
【前期(4月~9月)、後期(10月~3月)の場合】
(例1)退学日:6月30日 ⇒ 前期分(4月~9月)をはらう
(例2)退学日:9月30日 ⇒ 前期分(4月~9月)をはらう
(例3)退学日:10月1日 ⇒ 後期分(10月~3月)をはらう
1日でも在籍すると満額をはらう必要があるため、計画的に行動しましょう。
除籍の場合
除籍では授業料をはらう必要はありません。
ただし、すでに授業料をはらっている場合は、返納してもらえません。
この場合、除籍ができなくなるため、退学の手続きが必要です。
除籍を希望する場合は、自動引き落としなどに注意しましょう。
注意することは?
大学をやめる場合は、計画的に行動しましょう。
退学、除籍には、保護者、教員、事務職員など様々な人がかかわります。
そのため、承認をもらったり、会議をしたり、事務処理に時間がかかったりします。
「退学届提出日=退学日」ではありません。
以下のようなトラブルにならないようにくれぐれも注意しましょう。
トラブルの事例
- 就職が決まっていたが、退学が間に合わなかった。
- 他の大学に編入予定だったが、退学が間に合わなかった。
- 手続きが間に合わなくて、授業料を余分にはらうことになった。
会議の日程や、処理にかかる時間はあらかじめ事務に確認しておきましょう。
大学をやめた場合の影響は?
大学をやめた場合の影響は以下の通りです。
やめた場合の影響
- 大学入学前の学歴になる
- 大学在学中の経歴がなくなる
- 大学生でしかできない経験で人脈が築けない
順番に解説します。
大学入学前の学歴になる
学歴が大学入学前のものになるため、ほとんどの方は「高校卒業」になります。
「大学卒業」と「高校卒業」では以下のような影響があります。
就職先が限られる
就職活動をする場合、「大学卒業」と「高校卒業」では、応募できる企業数や仕事内容が変わります。
特に大企業は「大学卒業」が条件になっています。
また、仮に同じところに就職ができても、給与や昇給のスピードが違います。
世間体
筆者は「今は高卒、中卒でも、自分の力で稼げる時代」であると思っています。
ですが、ちゃんとした生活をしていても、学歴で判断する人がいるのも事実です。
(結婚相手の親がそういった方だとかなり困ります。。。)
大学在学中の経歴がなくなる
就職活動をする場合、履歴書に大学に在学していたことを書くことはできます。
ですが、大学を卒業していないため、
「なぜ、大学をやめたのか?」「大学で何をしていたのか?」
こういった質問に対して、自分の言葉で説明できるようにしておかなくてはなりません。
大学で人脈が築けない
大学生活では、サークル、アルバイト、ゼミなど様々な交流の場があります。
それに対し、企業で働き始めると、交流の場が職場のみとなります。
いろいろな人と交流し、人脈と見聞を広めることができるのは大学生の特権です。
大学に復学したい場合は?
大学には再入学という制度があります。
再入学とは?
再入学とは、退学や除籍をした大学に復学する制度です。
再入学であれば、面接や学部が作成した筆記試験だけで復学できるため、「大学共通テスト」や「個別試験」を受ける必要はありません。
(大学によって取り扱いが異なるため、詳細は大学の事務に聞いてください。)
再入学するための条件は?
再入学をするための条件は以下の通りです。
再入学の条件
- 大学をやめてから〇年以内
- 授業料未納による除籍の場合は、前回の授業料もはらうこと
- 再入学の試験で合格すること
(上記の条件は筆者が勤務している大学の場合ですので、詳細は大学の規則や事務の方に聞いてください。)
注意
大学を一度やめているため、試験官からの印象はよくありません。
なぜ、もう一度勉強したくなったのかを、しっかり説明しなくてはいけません。
筆者は、再入学を希望する人を4人対応しましたが、合格率は50%です。
(退学した時の理由と、今の状況をちゃんと説明できている人が合格しています。)
再入学後の待遇は?
再入学後の待遇は以下の通りです。
再入学後の待遇
【学年】
⇒ 大学をやめたときの学年や、取得単位数によって大学側が判断します。
【在籍情報】
⇒ 基本的には、退学前の在籍期間や休学期間等も引き継がれます。
今は再入学をする気がなくても、大学をやめると大学の良さに気づくことがあると思います。
なので、大学をやめる前から、再入学の制度について確認しておきましょう。
まとめ
この記事では以下を解説しました。
おさらい
- 大学をやめる(退学と除籍)について
- 大学をやめるまでの流れ
- 大学をやめるときの授業料
- 大学をやめるときの注意点
- 大学をやめたときの影響
- 再入学とは?
大学をやめたいと思っている方は、まず大学の事務に確認をしましょう。
きっと相談にのってくれるはずです。
大学の制度を理解して、「やめる」「やめない」にかかわらず、悔いのない選択をしましょう。
この記事が参考になったら幸いです。
なお、このサイトでは大学生にも関係のあるお金にまつわる情報を発信しています。
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